佐渡の田んぼは超粘土質といってもいいほど柔らかい。佐渡の草取りツアーで来てくれるメダカのがっこうの皆さんは、現地が用意している足がすっぽり入る長靴を履いて、それを実感しているはずです。だからこそ佐渡のお米はおいしいともいえます。
ただ、この粘土質の田んぼで、農薬に頼らない米をつくるのは並大抵の苦労ではおぼつかない。今、かなり効果が期待できる竹ぼうき除草が各地で広がりを見せているようですが、この佐渡ではまだ試行錯誤の段階といえます。
23年度の佐渡の田んぼでも、トキの田んぼを守る会の会員農家が全員所有、各自の田んぼで竹ぼうき除草を実施したが、その成果は各自まちまちというところ。結局、きちんと5日ないし1週間ごとに引いた田んぼは成功、徹底できなかった田んぼは相変わらず草にやられた田んぼと、成否が分かれました。
23年8月末、メダカのがっこうとともに、収穫目前の各農家の田んぼを視察して回りましたが、これまでになく草をクリアーできている田んぼが多く見られました。メダカのがっこうさんからも「イヤー、佐渡でこんなによくできた田んぼははじめて見た。10年間通って初めてだね。佐渡もこれで無農薬の田んぼが増えそうだね」という声が聞かれました。
ただ、だれしもよくできた田んぼは見てもらいたいが、そうでない田んぼは見せたくないという心理が働くのは致し方ないことで、視察していない田んぼは草に覆われていたと想像できます。全体にむらがあったわけで、成功した田んぼがあるということは、佐渡でも竹ぼうき除草は有効と判断できるわけで、あとはいかに徹底するかにかかっています。
(*メダカのがっこう注)トキの田んぼを守る会会員農家が共同でつくっている田んぼに23年6月草取りツアーで入った時、田植えからすでに2週間経っていて、コナギなどの草が結構育っていました。芽が出て1週間以上は経っていたようです。この段階ではすでに手遅れで、竹ぼうき除草は効き目がありません。案の定、会員農家たちも手除草に切り替えていましたが、この田んぼでの収穫は以前の状態とあまり変わっていなかったようです。
佐渡の農家も高齢化が進み、病気で倒れるケースが増えています。こうした状態で無農薬栽培の稲作を続けるには、労力を使わないですむ草対策が不可欠です。その点で、竹ぼうき除草への期待は高まっていますが、それをいかに徹底して効果ある草対策に定着できるか、24年度はトキの田んぼを守る会全体としての取組みを再構築したいと思います。
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